ぶか~しゅか の ひとり言 (from:モスクワ)

ロシアは日本人にとっては知らないことが多い国。日本の考え方は100パーセント通じない国。でも見かたを変えれば、面白いことも多い国。ロシア人のなかで暮らす日本人の私が、見て感じたロシアをそのままに書いてみたいと思います。

ロシアのお菓子、クリュークヴァ

ロシアのお菓子は素朴なところがよい。

たとえばこのお菓子、ツルコケモモを粉砂糖で包んだだけのもの。

値段は日本円で150円ぐらい。

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甘い粉砂糖をカリッと歯で割ると、中から酸っぱいコケモモの汁が飛び出す。

口の中で酸っぱいコケモモの汁と粉砂糖の甘さがまざって、

美味しいから、次から次に口に放り込んでしまう。

 

このお菓子、ロシアの自然の恵みから生まれたものだから、

なおさら美味しい。

包装がかわいいのは、ロシアのお菓子の特徴でもある。

 

ロシアの歌謡グループ ”レサパバール”

ロシアの大衆歌謡をロシア語でルースキーシャンソンという。

 

ルースキーシャンソンは遠距離バスの運転手さんや、汽車の中で人々がよく聴いている。

これを聴いているとちょっと疲れるけど、

「ロシアに居るんだな~」

という気持ちになる。

 

先日、偶然に面白いグループを見つけた。

グループの名前は”レサパバール”

「森林伐採」という意味だ。

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何故このような名がグループ名になったかというと、

このグループを結成したうちの一人、

ミハイル・タニッチ(1923年生)は

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戦後1947年に理由もなく牢獄へ入れられ、

1953年にスターリンが亡くなるまで、シベリアで森林伐採の強制労働をさせられた。

彼はその苦しかった経験を歌にして、

1990年にグループ ”レサパバール”を結成したのだ。

 

中心になって歌を歌っているのは、

このグループを一緒につくったセルゲイ・クルシュコフ(1959年生)である。

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セルゲイは医学専門学校を卒業した後、4年間、救急隊員として働いていたが、

その後12年の間レストランで弾き語りをして生計をたてていた。

セルゲイはミハイル・タニッチに見出され、

その渋い声と容姿でグループの中心となって活躍することになる。

 

レサ・パバールの面白さは、歌ばかりでなく、踊りも入るから、

言葉がわからなくても十分楽しめる。

 

雰囲気は素朴なロシアの労働者たち。

歌は前科のある人の歌。

だから、また面白い。

 

前科があるといったって、

スターリン時代には理由もなく牢獄へ入れられた人々が多いから、

その歌の歌詞にも隠された様々な思いがこめられていたりする。

 

いくつかビデオを紹介しようと思う。

 

最初のビデオは西シベリアの中央にある町スルグトの刑務所で、

1992年12月に行われたコンサートの様子をニュースにしたもの。

http://www.youtube.com/watch?v=AWHqCgZlxpw&list=PLA00CDC6F40A4BED8

 

次のビデオはザパベッチ(戒め)という歌、

神父様とのやりとりが面白い。

http://www.youtube.com/watch?v=t4ucfM-0lQE&list=RD1ZpwbsxfxOU&index=15

 

歌詞を訳してみた。

 

        戒め”

  俺は退屈なわびしさから元気を取り戻した。元気を取り戻したんだ。

  セルビヤーノチカ(古い民謡と踊り)で跳ねて踊ってる。踊ってる。

 隣には神父さん、エブランピイ。

 繰り返し(2回)

 過ちから俺を救ってくれた。

 

 裏切ってはいけないよ! - 裏切っちゃいねえよ。

 殺してはいけないよ! - 殺してなんかいねえよ。

 出し惜しみしてはいけないよ! - なけなしのシャツをやるよ。

 盗みをしてはいけないよ! - おっと、俺はそいつをやっちまったんだよ。

 そうなんだ、それをやっちまったんだ。

 馬鹿なことをしちまったぜ。

 

 俺はもう長いこと牢獄に居るんだぜ。 牢獄に。

 まるで修道僧のように暮らしているんだよ。

 罪のない俺は、まるでマリア様のようだ。

 2回繰り返し

 でも俺はズボンをはいてる男だけどな、神父さんよ。

 

 以前は世の中不景気だったんだよ。 不景気だったんだ。

 それでもって俺は若ぞうで一人身だった。独身だったんだ。

 10 の戒めは - 多すぎるよな。

 2回繰り返し

 俺はさ、神父さんよ、聖人じゃないんだよ!

 

 俺は9つの戒めを守っているさ、 いやっ俺はすげえな~。

 嘘は、つかないようにするさ。嘘は、つかねえよ。

 だけど10番目の戒めは・・・ - 気まぐれじゃないんだよ。

 2回繰り返し

 その 盗みはさ、俺の専門職なんだよっ!

 

1994年、歌手のセルゲイ・クルシュコフが自宅のベランダから転落して即死する。

原因はわかっていない。

セルゲイ・クルシュコフが亡くなって、グループはしばらく活動をやめた。

が、その後新しい歌手達を迎えて

ミハイル・タニッチの指導の下で今も人気をたもっている。

 

新しいグループ”レサパバール”のビデオも紹介しておく。

http://www.youtube.com/watch?v=aIroVi6aorA

 

これらのビデオや曲を聴いて、少しでもロシアの雰囲気を感じてもらえると嬉しいと思う。

 追記: 写真はウィキペディアから拝借しました。

ロシアの夏の冷たいスープ

夏のロシアはやはり暑い。

 

ロシアでは、昼はスープのついた食事を必ず取る。

だから夏には冷たいスープがメニューに加わる。

 

夏の冷たいスープは、よく知られたところで2種類ある。

スビョークラ(ビーツ)で作るスベコーリニック。

クワス(ライ麦と麦芽を発酵させた飲み物http://bukaashuka.hatenablog.com/entry/20110816/1313492067)で作るアクローシュカ。

どちらも酸味のある冷たいスープだ。

 

スベコーリニックの作り方(4人分)

 

スビョークラ    : 2個(大きいもの)

きゅうり           : 3本

卵                    : 2個 ~3個

ウクロープ(Dill) : 適量(ある程度入れたほうが美味しい)

わけぎ             : 適量(多目の方が美味しいと思う)

レモン              : 半分

肉                     : 適量(好みによって入れなくてもよい)

(牛肉かソーセージあるいはハムのゆでたもの)

酢                     : 適量 (米酢をつかったら美味しかった)

塩                     : 適量

胡椒                 : 少々

からし               : 適量 (和風からしは辛味が強いので洋風からしがよい)

スメタナ            : 1個

(サワークリーム)

クワス               : 適量 (クワスは無くてもよい)

 

1.スビョークラは皮をむいてゆでる人と、皮をむかないでゆでる人と両方いる。

どちらがいいかはわからない。

スビョークラをゆでて、皮をむいてある場合はその汁をとっておき、

スビョークラを取り出し、細かく切ってその汁に入れる。

 

     皮をむかないでゆでた場合は、皮をむいて細かく切り鍋に入れる、

そこにスープに必要なだけ水をたす。

 

卵は固ゆでにし、細かく切るか、つぶして細かくし、1.の鍋に入れる。

 

きゅうりとDill、わけぎもみじん切りにして1.の鍋に入れる。

 

肉を入れる場合はゆでて細かくして1.の鍋に入れる。

 

クワスを適量1.の鍋に足す。クワスは入れなくてもレモンと酢を足すことで美味しくなる。

 

レモン、酢、塩、胡椒、からしを入れ味をととのえる。

 

ある程度おいてから食べると美味しくいただける。

 

こういう美味しいスープがあるから、暑いのに食欲が出て、

私は最近2キロも太ってしまった。

今日もスベコーリニックをソーセージと一緒に食べた。

美味しかった~。

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素敵な言葉

大型スーパーへ行くための無料バスの停留所で人々がバスを待っていた。

 

その中に労働者風の中年のカップルが1組、少し疲れたような顔で立っていた。

 

男性も女性もロシアでは珍しく、とても地味な服装だった。

そのカップルの近くには、やはり無料バスを待っている女性が

夏の華やかなワンピースを着てサングラスをかけ、真っ直ぐに前を見て立っていた。

 

労働者風の女性がその女性を見ながら男性に

ふとこぼした言葉が耳に入った。

 

「ただ買い物へ行くのに、あんなに綺麗な服を着ているわ。」

 

労働者風の女性は、

その華やかなワンピースを羨ましげに見ながら

自分の地味な服装をそれと比べて悲しげな顔をして俯いた。

 

彼女の様子を見た労働者風の男性は、彼女を軽く引き寄せて、

微笑みながら

「今日の君はとても素敵だよ。」

と言って、

彼女の頭に軽く口付けをした。

 

労働者風の女性は

はにかむように彼の顔を見上げ、

彼に寄り添い、優しい笑顔で彼に答えた。

 

映画に出てくるようなワンシーンを見たような気がした。

 

こういう優しい素敵な言葉をいいタイミングで言えるのが

ロシアの男性だと思う。

 

どんなにおっかない顔のおじさんでも、

どんなに冴えないおじさんでも、

こういう洒落た言葉を女性に言えるのがロシアの男性なのだ。

 

そういう私の主人も

私が顔を赤くするような、

映画で二枚目が言うような言葉を

 

平気で言う。

 

さらっとそういうことを言うから、

 

私はあっけにとられたり、

身体中がかゆくなるような衝動にかられ、

照れてしまって、

自分に対していわれた言葉を

上記の女性のように

はにかみながら寄り添って優しい笑顔で 主人に答えられない。

 

へへへ・・・

 

と、つい笑ってしまうのだ。

すると主人は不思議そうな顔で、どうして笑うのか訊いてくる。

 

私は、

 

キザだ。

 

とは言えず、顔をそらして何もなかったように他の話題を持ち出す。

 

いつか素直に

優しい笑顔でその言葉に答えられるような女性になりたい。

 

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地下鉄での思い出

モスクワの地下鉄の車両は、

日本のそれと比べると、

ごつくて、鉄でできた戦車のようなイメージを受ける。

 

天井の高いホームにゴーッという音を響かせて入ってくる地下鉄の車両は、

灰色の分厚い鉄のワゴンだ。

その扉がガタンッと開いて、

ババーンッと勢いよく閉まるまでに何秒の間があるのか、

私はそれをいつもはかろうと思いながら、十数年間できずにいる。

 

なぜかというと、

扉が開いてババーンッと閉まるまでに 

急いで車内へ入らないと、扉に挟まれて怪我をしそうで怖いからなのだ。

 

それでも1度だけ、その扉に挟まれそうになったことがある。

 

仕事に遅れそうになって、開いていた扉の車内へ飛び込もうとした。

とたん、

重い鉄の扉がグワッと動いた。

 

おもわず目をつぶって、身体を硬くした。

 

あれっ?

 

扉が当った感触がない。

 

目を開けると、

車内の両脇に立っていた屈強な男性2人が

閉まろうとする扉をガシッと押さえている。

 

ひゃ~素敵! 感激!

 

あの時はいっぺんに2人の男性に恋してしまったような気持ちになった。

 

扉を押さえている2人の男性は何も言わず、早く中へ入るよう目で合図をしている。

私が中へ入ると2人は押さえていた扉の手を離した。

 

ババーンッ!!!

 

続いて車内に機嫌の悪そうな男性の声でアナウンスが流れた。

 

「扉を押さえるな!扉が壊れる!」

 

私は感激しながらその2人の男性に軽く頭を下げてお礼を言った。

「スパシーバ。スパシーバ。(ありがとう。)」

 

2人とも、赤い顔をして私のほうを見ようとはせず、

まっすぐに前を向いたまま、

何も言わずに立っていた。

 

私は、両方の男性の顔をちらちら見ながら、

いまさっきあったことを思い出して、

幸せな顔をして立っていた。

ファンタジー映画の中に出てくる

屈強な騎士に助けられたお姫様のような気持ちだった。

 

今思い出しても笑みがこぼれる。

 

 

神様がくれたもの

昨日は地下道でおじさん2人が売っていた

1キロ100ルーブル(299円)

ビーシュニャ(さくらんぼ)を1キロ買って、

家で3キロのさくらんぼを食べた。

 

買ったのは1キロなのに、何故3キロのさくらんぼを食べたかというと、

1キロのさくらんぼを買って黒い袋に入れてもらった後、

近くの大型スーパーへ買い物に寄った。

買い物をして、レジに並んでいたときに

警備のおじさんが袋が落ちたと言って黒い袋を持ってきてくれた。

 

家に戻って買ってきたものを整理していたら、

何故かさくらんぼの黒い袋が2つあって、

落っことしたらしい袋には2キロのさくらんぼが入っていた。

 

結局、私たちが買ったのは1キロ。

誰が落としたのかわからない袋には2キロのさくらんぼが入っていた。

 

このさくらんぼは熟しきったものばかりだったからダメにならないうちに

安くで売ったのだろう。

 

神様が私たちに恵んでくださったもの

ということにして、

3キロのさくらんぼを夜中までかかって食べた。

 

手が真っ黒になって、歯も口も真っ黒になった。

心行くまでさくらんぼを食べたのはこの日が初めて。

 

神様、ありがとうございます!ご馳走様でした!

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ロシアであった いろいろな事

空港でよく見かける光景がある。

 

荷物をチェックする列に日本人が並んでいる。

日本人は前の人と少し距離をもって並ぶ。

その日本人がちょっとよそ見をしている隙に、前の人との間にロシア人が割り込む。

日本人は驚いて、そのロシア人の顔を見る。

が、 ロシア人は知らん顔。

日本人とは目を合わせようとはしない。

日本人はだんだん怒りが込み上げてくるが、文句は言えない。

そして我慢したままロシア人に割り込まれた列に並び続ける。

 

ロシアではよくあることだ。

 

私もロシアの人々のナハーリヌイ(厚かましい、図々しい)態度に散々悩まされている。

 

ロシアでは、自分を主張しないと生きていけないと思う。

だから上記のような場合は、しっかりと相手の目を見つめて、

 

「ムッシーナ(男の場合)!ジェーンシナ(女の場合)!

                 サブリュダーイチェ オーチェレジ!(順番を守りなさい!)」

 

ときっぱりと言わなければ馬鹿をみる。

 

飛行機の中、特にアエロフロートでは、

新聞を大きく広げ、前の席にまでかかって邪魔になっているのに

まったく気がつかないロシア人がよくいる。

また食事のときに

眠ったときのまま席を元に戻さないロシア人が多い。

 

そんなとき、

ロシア人が男性の場合は、スチュワーデスにこそっと告げて、

代わりにそのロシア人に注意してもらうほうが無難だ。

ロシア人が女性の場合は、

「ジェーンシナ!(これは何かを注意するときだけの呼びかけ)」

と非難の目でその箇所を指差しながら抗議するとよい。

 

ロシアの人々で、

他人のことを気にしてくれる人は本当のインテリゲンチャだと思う。

 

だからたまにそういう人に出くわすと、

当たり前のことなのに私はものすごく感激してしまう。

 

モスクワ郊外へ車で行くときと帰るとき、

ヤロスラフスカヤ道は2年続きの道路工事で毎回ものすごい渋滞にあう。

そんなとき

車であっても上記に書いたと同じようなことがしばしば起こる。

 

車間距離をあけて運転していると、

必ずと言っていいほど隣車線から車が割り込んでくる。

こういう車の運転手は渋滞の中、

少しでも前へ行けそうな車線を行ったりきたりするやつだ。

 

私は車の運転はできないので、助手席に座り、

そのつど怒鳴ってため息をつきまくっている。

 

主人は、

この何年かで1度しかクラクションを鳴らしたことがない。

 

ロシアでは、信号が青になると後ろの車がいっせいにクラクションを鳴らし始める。

前の車に

「早く行け!」 という合図である。

 

また駐車場では、

車を出すときと入れるときに車が少しでも立ち往生すると、

クラクションを鳴らし出し、2分も待たずに外へ飛び出してきて、

両腕を大きく広げながら

「いったい何してんだよ!」

と叫びだす。

 

私たちにもそういうことがあった。

 

私はすぐに窓を開け、

「しばらく待ってなさいっ! いまどくから!」

と思わず怒鳴ってしまった。

 

主人はそんな私に

「なんで怒鳴る。だまってなさい。」

とたしなめた。

 

「あういう奴らは勝手に怒鳴らしておけばいいんだ。」

と主人は言った。

「それもそうだ」 

と思った。

 

地下鉄のホームでは、

混雑していたホームへ降りたとき、

電車へ乗り込もうとした大きな荷物を持った女性にぶつかって怒鳴られた。

 

「この馬鹿女っ!」

 

と言われ、

私はぶち切れた。

 

「おまえっ!いまなんて言ったっ!」

と、

はしたない怒鳴り方をしてしまい、

落ち着くようにと主人に腕をひっぱられてその場を離れた。

 

周りの人からは当然日本人とは思われていないだろうから、

ま、いいや。

その場を離れてから反省した。

 

昔、日本に居たときの私は、

八百屋さんに

「何をください」 と言うのも言えないくらい恥ずかしがり屋で引っ込み思案だった。

八百屋さんがスーパーになって、

いちいちそれを言わなくてすむようになってほっとしたことがあるくらいだ。

 

そんな人間がなぜかロシアに行ってしまい、

がさつな女になってしまった。

 

ロシアのシェレメチェボ空港からJALに乗って日本へ戻ったときのこと。

キャリーバックから自分の手提げ鞄を取り出して、

空港で買った土産ものをキャリーバックへ入れたから、手荷物は2つになった。

JALへ乗り込んで、キャリーバックを座席の下へ置こうとしたらスチュワーデスに注意された。

 

「お客様、座席の下には荷物を置かないようにお願いいたします。」

 

そして少し間を置いて、

「だいたい手荷物はお一人1つと決められています。」

と、少しきつい調子で言われてしまった。

 

私は彼女を見上げ、黙っていた。

 

頭の中では、

手荷物チェックを通ってしまったのだから、いまさら言われても困る。

という考えが脳裏をよぎって、

何と答えたらいいのかすぐには答えられなかったのだ。

 

すると

急に態度をひるがえしてそのスチュワーデスが謝りだした。

 

「お客様、申し訳ありません。言い過ぎました。どうぞこちらの棚へ入れてください。」

 

そして何度も何度も謝るのだ。

規則を守らない私のほうが悪いのに・・・。

 

たぶん表情を変えないまま彼女をじっと見つめ、

何も言わない私に恐怖感を感じてしまったのだろう。

本当に悪いことをしてしまったと強く感じ、

自分の日本人らしくない態度を恥じた出来事だった。

 

田舎へ旅行に行ったときのこと。

田舎のバスは1時間に1台しかこない。

その混雑したバスにリュックサックを背負って乗ったから、

周りのおばさんたちにことごとく文句を言われた。

 

あまりにしつこく、身体までつつきながら文句を言うので

温厚な主人も我慢できずに言い返した。

すると威丈高になっておばさんたちは叫び出す。

私は大声で、

「申し訳ありません!と言ってるでしょっ!」

と叫ぶと、

ピタッとおばさんたちの叫び声が止まった。

私はフンッと蔑んだ目で皆を見つめてそのバスを降りた。

皆がまん丸な目で私たちを見つめている。

 

あ、こうゆう対し方もあるんだな。

新しい対処法を発見してかえって嬉しくなった出来事だった。

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