仲間たち
昔からの友達エフゲニー(ジェーニャ)・スタセンコは、
画家であり、絵の教師としてずいぶん沢山の教え子を世に出した。
現在モスクワやパリで活躍している彼の弟子も多い。
今日はジェーニャのアトリエのある建物が壊されて新しくなるというので、
そのアトリエでパーティーがあった。
集まった者たち皆がジェーニャからチケットを買って、そのチケットでくじを引き、
それぞれが彼の描いた小さな絵をもらえるというゲームをやった。
私の知り合いも何人か来ていたが、こんなに沢山の人が集まるとは思ってもいなかった。
だが考えてみると、この建物が壊されて新しくなるということは、
ジェーニャのアトリエがなくなるということなのだ。
アトリエがなくなったら、
ジェーニャはどうやって暮らしていくのだろう。
冗談交じりの楽しげな会話の中に、そんな話はひとつも出なかった。
ロシアでの今後の暮らしは、画家にとっては厳しいものになっていくだろう。
だけど、こういう昔からの気のいい仲間が居る限り、
お互い助け合って何とかやっていけるだろうと思いたい。
夜中0時をまわった空は、
不安な気持ちとは裏腹に、まるで白夜を思わせるように薄青く光って美しかった。
追伸: 更新が頻繁にはできなくなっていますが、気長にお付き合いくださいね。