ぶか~しゅか の ひとり言 (from:モスクワ)

ロシアは日本人にとっては知らないことが多い国。日本の考え方は100パーセント通じない国。でも見かたを変えれば、面白いことも多い国。ロシア人のなかで暮らす日本人の私が、見て感じたロシアをそのままに書いてみたいと思います。

自分を解放するということ・・・

モスクワへ戻ってから、主人に言われたことがある。

 

「家事に時間を費やすより、自分のやりたいことをするべきだ。」

 

だから、毎日していた掃除をやめた。

 

「掃除なんて一週間に1度やればいい。」

と、主人は言った。

 

「君はあまりにも神経質すぎる。もっと自分を解放すべきだ。」

とまで言われた。

 

だから一週間掃除をしなかった。

 

キッチンで、朝食後に散らばるパンくずも、

昼食、夕食の準備で落ちた野菜くずや

床に飛び散ったスープも

拭かずにほったらかしておいた。

 

一週間したら掃除機で掃除して、床を拭くつもりだった。

 

神経質な自分を 解放したかったからだ。

 

だが、それで恐ろしいことが起こった。

 

昨日の夜中、トイレに起きたときのこと。

私が便座に座ると、扉の上に付いている電球に

何か茶色いものが動いているのが見えた。

じっと観察すると、

小さな茶色のゴキブリだった!

 

目が2つ、飛び出ていて、

その目が、

下に座っている私を見つめている。

今にも私の方へ飛び降りそうに身体を震わせて、

目がキョトキョト動いている

・・と思ったら、

 

飛び降りた!

 

私の顔めがけて!

 

私は、息がつまって喘息のような状態になった。

声が出なくて、やっとの思いでトイレを出た。

そして、

隣のキッチンの電気をつけた。

途端、

サササッと動くものがあり、それらが散らばった。

 

あ~~~~~~~~~~~~~~っ!

 

5匹ものゴキブリがキッチンの床に散らばったパンくずを食べている!

電気を消し、

寝ていた主人を起こして、

またキッチンの電気をつけた。

 

サササササッとまた茶色のものたちが散らばった。

 

「見たか!」

と主人に訊いたら、

 

「見た。」

と言うから、

「明日掃除するから。」

と断言した。

 

寝床に戻った主人が、

ふてくされたようにボソッと言った。

 

「ゴキブリだって生きていくには食べなきゃならないさ。」

 

夜通しキッチンの床に散らばった食べかすを食べると、

ゴキブリはどのくらい増えるのだろう。

 

そんなことを考えていたら寝てしまった。

 

今日は朝から大掃除をするつもりだった。

 

ゴキブリ駆除剤をまいたら、

しばらく窓を開けてそのままにしておかなくてはいけない

と書いてあったから、

しばらく、そのままにしておいた。

 

その間、仕事をして、

自分のやりたいこともやったら、

夕飯の時間になったので、

昨日作った残りを温めて夕食にした。

 

お茶を飲んで、

時計を見たら、

すでに11時をまわっていた。

 

あ~ぁ。

 

今日も掃除はできなかった。

 

主人は、

がっかりしている私を満足そうに見ている。

私は、 

一体どれだけ自分を解放できたのだろうか・・・。

 

注釈: 下の階の家が大々的なリフォームを始めたせいで

           ゴキブリはうちへやってきたと主人は言っています。

 

追伸: 5月9日からの連休へ向けて、明日はインターネットのないモスクワ郊外へ行きます。

     しばらくブログをお休みします。

     このブログを覗いて下さった方々、ありがとうございます。