春に見る光景
モスクワは復活祭の日から日差しが ぐ~んと暖かく、いや、暑いくらいになり、
街の木々も緑色になってきた。
気温はすでに21度。
夜は9時まで薄明るい。
ロシアの人々は散歩が好き。
夕飯を終えた後などに、
恋人同士や夫婦で、または家族一緒にゆっくりと散歩している姿をよく見かける。
街中であっても、ロシアの人たちは散歩をする。
仕事を終えた後などに、
「ちょっと歩こうか。」
と言って、歩きながらいろいろな話をする。
金曜日の夕方などは、
男同士が3人集まって、
公園で立ったままウォッカの入ったグラスを片手に話をしているのをよく見かける。
なんで3人か、というと、
0.5リットル瓶のウォッカを3人で飲むと1人分が166グラム。
ウォッカで気持ちよく酔うにはこのくらいの量が適当だからだ。
これ以上飲む人はアルチューで、ウォッカを飲んだ翌朝、割れるような頭の痛みに悩まされ、
それを解決するためにさらに朝から酒を飲んでしまう。
ウォッカには塩漬けのきゅうりがよく合う。
豚肉の脂肪を塩漬けにしたものはサラというが、美味しいサラは結構高いから、
「公園でウォッカ派」の人たちには、塩漬けきゅうりがちょうどいい。
きゅうりをかじって食べた後、
フッと強く息を吐き、一気にグラスのウォッカを飲み干す様は見ていてなかなか面白い。
きゅうりも買えないときは、公園になっている青いりんごの実を取って、
りんごを片手にウォッカを飲んでいる人たちも多い。
ロシアにりんごの並木が多いのは、そのせいなのかもしれないと思う。
しかし最近の法律では、通りでアルコールを飲むのは禁止されている。
だがそこはさすがにロシアの人々、皆うまくごまかして、
水のボトルにウォッカを入れるなどして工夫している。