ぶか~しゅか の ひとり言 (from:モスクワ)

ロシアは日本人にとっては知らないことが多い国。日本の考え方は100パーセント通じない国。でも見かたを変えれば、面白いことも多い国。ロシア人のなかで暮らす日本人の私が、見て感じたロシアをそのままに書いてみたいと思います。

不思議なトイレ・・・

3月の初めにモスクワへ戻ってから、気になることが一つあった。

それは、すぐ近くの公園に突然出現したトイレ。

 

公衆便所。

 

軽乗用車の車庫のような、鉄でできた小屋。

 

扉の横にいくつかボタンがあって、多分、お金を入れてボタンを押すと開くのだろう。

・・・と思っていた。

しかし、誰も使っている様子がない。

 

というのは、扉が開いた様子がない。

 

普通モスクワの公衆便所というのは、入り口におばさんが座っていて、

そのおばさんにお金を払って、トイレの鍵を開けてもらい、

入り口にかかっているトイレットペーパーをちぎって持って入る。

使った後はおばさんがお掃除をしてくれるので、おばさんが居るトイレは少しは安心して入れる。

だから私は無人の公衆トイレは使わないのだが。

 

突然出現したこの公衆トイレは、いくつものボタンがあって、扉が頑丈で、スタイルがなんとなく新しいものだから、

そんな私も気になって、誰が使うのか、公園を散歩するたびに見ていた。

 

でも、誰も使った様子がない。

 

そんなことを思っていたある日、地域の新聞にその公衆トイレの写真と記事が載っていた。

 

『開かないトイレ』

 

あ~やっぱり開かないんだ。

 

その記事によると、

  このトイレはモスクワの何ヶ所かに試験的に置かれたもので、

  ある企業が開発した無人の公衆トイレだという。

  しかし、このトイレは操作が難しく、誰も開けることができないのだ。

 

ロシアには、こうゆう意味のないものが多くある。

 

おそらくソチオリンピックに向けて、モスクワ市も公共事業にお金をかけたのだろう。

人々の集まるところに、最新の公衆トイレを置くことを考えたのだろう。

 

でも扉が開かないんじゃどうしようもない。

 

公園を散歩するたびに、この最新の開かないトイレが錆付いて粗大ごみになっていくのを見ることになる。

多分この問題を処理するには、モスクワ市の公共事業に使うお金はすでに底をついているのだろう。

 

こういう無駄なことは、なくしていかないといけないと思う。

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