ぶか~しゅか の ひとり言 (from:モスクワ)

ロシアは日本人にとっては知らないことが多い国。日本の考え方は100パーセント通じない国。でも見かたを変えれば、面白いことも多い国。ロシア人のなかで暮らす日本人の私が、見て感じたロシアをそのままに書いてみたいと思います。

スーパーで

週に一度は大型スーパーへ行く。


このスーパーはフランス資本のもので、
値段も比較的安いから、行った時は山ほど欲しかったものを買う。


ここで楽しいのは、沢山の種類のチョコレート菓子を
自分で量って好きなだけ買えるからだ。


美味しいものを選ぶには、あるコツがある。


それは、中央アジア系のおじさんの後についていくことだ。


中央アジアから来た人たちは、市場で買うことに慣れているから、
スーパーでも、市場と同じように品物を買う前に試し食いをする。
つまり、山と積まれたチョコレート菓子を
おじさんたちは次から次につまんでかじる。
美味しくなければそれを半分そこへ置いていくから、
チョコレート菓子の中身がわかってよい。


中央アジアのおじさんたちは、ものすごく甘いのが好きだ。


だから私はおじさんたちが買うのと同じものを選ぶのではなく、
おじさんたちが食い散らかしたチョコレート菓子の中身を
調べながら、自分好みの美味しそうなものを選んでいく。


中央アジアの人たちは賑やかだ。


大声でお菓子をつまみ食いしながら、
「これは美味い!これはあんまりいただけないな!」
などと大げさなジェスチャーと大きな声で話しながら、
堂々と店の中を歩き回る。


つまみ食いはスーパーでは禁止されているのだが、
スーパーで働く店員たちは、
ほとんどが中央アジアから来た人たちだから、
同胞のすることは見て見ぬふりをしている。


私もアジア系の顔だからだろうか、
品物を量るときにうっかり床へばらまいてしまったとき、
そばに居た店員は私をちらっと見て、
「よくあることよ。ほおっときな。」
と言ってくれた。


うちで美味しいチョコレート菓子を食べるときは、
スーパーで買い物をする中央アジアのおじさんたちを思い出す。