ぶか~しゅか の ひとり言 (from:モスクワ)

ロシアは日本人にとっては知らないことが多い国。日本の考え方は100パーセント通じない国。でも見かたを変えれば、面白いことも多い国。ロシア人のなかで暮らす日本人の私が、見て感じたロシアをそのままに書いてみたいと思います。

とまどったこと

先月から、
マンションの新しいお向かいが家のリフォームを始めた。
朝から晩までトンカントンカンだけではなく、
ドリルでドドドドドーッと大がかりな工事が続く。


うちは向かいなので、音の大きさだけが気になるけれど、
あの家の下の階は、さぞうるさいだろうと思っていた矢先、
うちのドアの前で大声で怒鳴り合う声がした。


おどろいて主人と一緒に出てみると、
下の階に住む女性が向かいの家族と怒鳴り合っている。


土曜日も日曜日も朝から晩まで工事が続くことに
我慢できなくなってのことだった。


モスクワでは普通、祝日と日曜日は、工事をひかえるのがきまりのようだ。

そのことを下の階の女性は言っているのだが、お向かいの家族は聞く耳をもたない。
一人息子の為にこのマンションを買ったお向いの母親は、
凄みをきかせて怒鳴りまくっている。


「私たちが私たちのお金でやっている工事よ!あんたに文句を言われる筋合いはないわっ!」


日本なら、
新しく越してくる人は、ご近所との関係を気にして、
リフォームなどの工事の前には、ご迷惑をおかけしますと、
あいさつしてまわるのだが、
ロシアでは、そういうことはまったくない。


主人に日本との違いを話すと、意外な言葉が返ってきた。


日本のように
「ご迷惑をかけますが・・」とあいさつに行けば、
「迷惑をかけると思うなら工事はするな!」
と言われるだけだ。
だからご近所が文句を言いに来たときは、それなりに対応すればいい。


ということだった。


うちのお向かいは今日も喧嘩を続けている。


私は、少し慣れてきて、
毎日の喧嘩の怒鳴り合いにも驚かなくなった。


お向かいも、きっと喧嘩に慣れているのだと思う。


明日は、
お向かいが新しく買ったドアがあまりに重たいため、
廊下の壁を壊して重たいドアを支えられるように新しく頑丈な壁をつくるという。


また新たな騒動のはじまりを予感した。